諺の「言わぬが花」とは、口に出さないで黙っていたほうが当たり障りがない、かえって値打ちが出るという例えで使われれます。もちろん英語にも同じ意味のフレーズがあるので、どんな会話で使うかを解説していきます。
昔、僕の友達が「日本ではうるさく言う女よりは女性は黙っていた方がモテる」っていうことを外国人に短く伝えるには「言わぬが花」って英語にもあるのかなということを相談されたんです。
文法的に考えて文を作ってみると「it’s better not to say anything」のようなフレーズになりますが「何も言わないほうがマシ」の意味になり、それは諺にならないですね。
英語にも「言わぬが花」と同じ意味の諺がいくつかありますが、ここではカジュアルなフレーズも紹介していきます。
Silence is more eloquent than words
Silence is golden
The less said the better
Some things are better left unsaid
目次
1. Silence is more eloquent than words * 「言わぬが花」「沈黙は言葉よりも雄弁」(諺)
このフレーズはスコットランド人哲学者の故人トーマス・カーライルからの諺です。
直訳すると、「沈黙は言葉よりも雄弁」となります。雄弁っていうのは、「人に感銘を与える巧みで力強い弁舌」といい意味になりますが、日本でもこんな諺は日常会話でも聞きませんね。
古い諺なので、カジュアルな会話では絶対というほど聞くことはありません。
逆に、この英語の諺をネイティブに使ったら、「へ?・・・何それ?」みたいな顔されるので、やはり日常的なフレーズがいいですね。
2. Speech is silver, silence is golden ** 「言わぬが花」「雄弁は銀、沈黙は金」(諺)
こちらもトーマス・カーライルがあるドイツ人の著作から翻訳したもので、この諺が誕生しました。
簡単に言うと、話すことが銀で、黙っていることが金であるように、要するに黙っていた方が一番いいってことです。
「speech is silver,silence is golden」も古いのであまり聞かないのですが「speech is silver」を省略し、「silence is golden」だけなら、カジュアルな会話でもアカデミックな会話でもたまに聞くことがあります。
誰かに、それは言わないでおく方がいいよと、伝えたいときに使えます。こちらのフレーズのほうが知ってるネイティブが多いので伝わりますよ。
Short version: Silence is golden.***
Example:
Aさん: I hate that man so much!
「ホントあの男キライ!」
Bさん: You should stop talking about him. Silence is golden.
「彼の話するのは止めた方がいいよ。言わぬが花ってやつだね。」
3. The less said the better **** 「言わなければ言わないほどいい」(普通のフレーズ)
こちらは「~すれば~するほど」の比較級を使った表現で、カジュアルな会話フレーズで「言わぬが花」と同じ意味で使えます。
特にネガティブな出来事や気に障りそうな話題に対して、ストップをかけるために使われる言葉です。
言わないほどいいというなら、全然言わなければ一番いいってことですね。外国人の友達などで、悪口の多い人がいたらこのフレーズを言ってみるといいでしょう。
Example .
Aさん: Their divorce seems to be very rough.
「彼らの離婚はとても大変そうだな。」
Bさん: It’s not our place to say anything. The less said the better.
「それは私達が何か言える立場でもないからね。言わぬが花だよ。」
4. Some things are better left unsaid **** 「言わぬが花」「言わないでおく方がよいこともある」(普通のフレーズ)
「the less said the better」と同意表現として使われます。
黙っていたほうがいいんだぞっていう時によく使うフレーズです。
ちょっと長くて覚えづらいですが、もしデリカシーのなさそうな外国人がいたら、その人に対して言ってみましょう。
トーマス・カーライルの諺と違って、こちらのほうが耳にする機会がありますよ。
Example
Aさん: Did you hear what she said about her mother?
「彼女がお母さんについて何か言ったか聞こえた?」
Bさん: I don’t want to know. Some things are better left unsaid.
「わかんない。言わぬが花ってことだ」
オリジナルのダイアローグを作りました。
一部の諺と日常に使えるフレーズだけ厳選したので、どんなタイミングで使われるのか、もう一度ダイアローグで見ていきましょう。
Example Dialogue:
Dialogue 1.
Aさん: Oh I hate him so much! I want to say bad things about him to everyone!
「マジで奴がキライ!みんなに奴の悪口行ってやりたい!」
Bさん: You shouldn’t do that, because people will start saying bad things about you too. Silence is golden, after all.
「それはやめたほういいぞ、同じようにみんなも君の悪口を言い始めるからね。結局は言わぬが花だ。」
Aさん: I know, but he just makes me angry…
「わかるけどさ、アイツ本当にイライラさせるんだよ…」
Dialogue 2.
Aさん: Hey, did you hear about their lawsuit? It sounds pretty bad.
「おい、彼らの訴訟事件聞いたか? 結構ひどい話だよな。」
Bさん: Actually, it’s better not to say anything about it for now. The less said the better.
「実を言うとね、今はそれについて何も言わないほうがいいよ。言わぬが花だから。」
Aさん: Hmm, I guess you’re right.
「うーん、まぁそうだよな。」
Dialogue 3.
Aさん: I commented on his bald head, and he became mad.
「彼のハゲ頭にコメントをしたらさ、彼怒り始めたんだよね。」
Bさん: Well, I can understand why he became angry. Some things are better left unsaid.
「まぁ、彼がなぜ怒ったのかわかるな。言わぬが花なのに。」
Aさん: Yes, that is true. I need to go and apologize to him.
「うん、そうだね。謝りに行く必要があるな。」
このように英語でも、他人の悪い噂話に言及してる人や、悪口を言っている人に忠告するときに使われる言葉です。
誰にだって、言及して欲しくないことってありますよね。「stop saying that!」とストレートに言うよりは、少し遠回しに「言わぬが花だよ」って言ういいでしょう。
女性なら「腋毛はみ出してるよ」、男性なら「鼻毛出てるよ」なんて言ったらカチンと来ますよね。
いや、落ち込む人が多いかな。。。 まさに言わぬが花です。