「恩を仇で返す」とは、恩人に対して感謝するどころか、ひどい仕打ちで返すという意味で使われ、または「情けを仇で返す」ともいいますね。
「仇」の意味には「恨み」という意味があります。そして「恨み」の意味の中には「にくいと思うこと」の他に、「残念に思うこと」、「不満足に思うこと」が含まれています。
なので、それらの意味も含めたフレーズや諺を英語で「恩を仇で返す」をどう言えばいいかを紹介していきます。
The beggar pays a benefit with a louse
To bite the hand that feeds one
Ungrateful person
To receive nothing in return
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目次
1.The beggar pays a benefit with a louse 「恩を仇で返す」
Example: (From ‘King Lear’ by Shakespeare)
“The cod-piece that will house,
Before the head has any,
The head and he shall louse;
So beggars marry many.”
This writing means: “The beggar pays a benefit with a louse.”
この諺フレーズは、1500年前後の時代の頃ととても古く、同様にウィリアム・シェイクスピアによって書かれた格言です。シェイクスピアってイングランドの詩人なのですが、中世ヨーロッパの故人なもんだから知らない人もいるかもしれません。
上記のサンプルは、シェイクスピア作「King Lear」からの引用になるんですが、この英語の文章を現代の英語圏の人が読んでも、意味がわからない人が多いようです。まぁ歴史や作詩が好きなネイティブだったら通じるでしょう。
文章を短くして、「The beggar pays a benefit with a louse」となるのですが、日本語にすると「乞食は虱で返礼する」と言います。
「乞食」は金銭や食べ物を恵んでもらってる者のことをいい、「虱」はシラミと読んで、皮膚の上で血液を吸う昆虫のことです。「恩人に虱で返す」となり、「恩を仇で返す」と同じ意味になりますね。
ただ、このフレーズは知らなすぎるネイティブが多いので、別のフレーズで表現した方がいいですね。
2. bite the hand that feeds one/you ** 「飼い主の手を噛む」
Example: If you leave a job suddenly after they paid for your training, it’s like biting the hand that feeds you.
「もし、研修の給料を支払われた後にイキナリ仕事辞めたら、それは恩を仇で返すようなものだ。」
このフレーズは、感謝の気持ちやお礼もせず仇で返す人について使われますが、そんな頻繁に耳にすることは少ないですね。
でも、このフレーズなら「恩を仇で返す」の意味としてネイティブにもわかります。カジュアルでもフォーマルな会話でも使えるので、覚えておきましょう。
愛情込めて育ててやってるのに、感謝の気持ちすら返さないペットが、飼い主の手を噛みつく行為はまさしく、仇で返してますよね。
3. Ungrateful person **** 「恩知らずな人」
Example: She asks for many favors and is a very ungrateful person.
「彼女はお願い事ばかりするが恩知らずだ。」
仇を返すの意味は含まれているわけではないですが、「恩知らずな人」と言いたいなら「ungrateful person」と言うことができます。
感謝の意も返さないどころか、失礼な態度な上、逆に文句で言いつけてくるヤロウなんかに「ungrateful」という言葉がよく使われます。
また、こちらのフレーズのほうが日常会話に向いています。
4. receive nothing in return **** 「何の返礼も受けない」
Example: I gave her lots of help, but received nothing in return.
「私は彼女のサポートをかなりしてあげたのに、何の恩返しも受けなかった。」
手助けしてやったり物を買い与えてやったのに、恩返しもない人に文句を言いたいときにフレーズです。
見返りとして何かを求めてるのが伝わってきますね。何の返礼がないことは「不満に思うこと」になるので、それが「仇」となるんでしょう。
ナチュラルな会話をしたいなら、こちらもオススメフレーズになります。
Example Dialogues:
「The beggar pays a benefit with a louse」は会話に出てこないフレーズになるので省きます。その他のフレーズをおさらいとしてダイアローグで見ていきましょう。
Dialogue 1.
Aさん: I hate all this paperwork I have to do.
「このやらなくちゃいけない書類業務マジキライだ。」
Bさん: I went to all that trouble of asking our boss to employ you, so don’t bite the hand that feeds you.
「せっかく私が上司にあんたを雇ってもらうようお願いしたんだからさ、恩を仇で返すようなことをしないで。」
Aさん: I guess you’re right. I just get tired of paperwork sometimes.
「まぁそうだよね。ただ書類業務がウンザリする時があるだけよ。」
Dialogue 2.
Aさん: My parents gave my brother lots of money when he needed help. But he never thanked them.
「私の両親は兄に、助けが必要な時はたくさんお金与えるの。でも兄は全然感謝したことないの。」
Bさん: That’s a bite rude, he sounds like an ungrateful person.
「それはちょっと失礼だな。なんか恩知らずな人のようだな。」
Aさん: Yes, he can be very ungrateful sometimes.
「そうね。時々とっても恩知らずなんだよね。」
Dialogue 3.
Aさん: I’m so angry at my friend!
「ホントあの友達にはイライラするよ!」
Bさん: What happened?
「何があったの?」
Aさん: I took her to expensive restaurant, bought her lunch, and received nothing in return. Not even any thanks!
「彼女を高級レストランに連れてってランチをごちそうしてあげたんだけど、何の返礼もなかった。ちっとも感謝すらしていなかったし!」
Bさん: I see I see.
「そうかそうか。」
「恩を仇で返す」のことわざを英語で言いたいなら、「bite the hand that feeds you」のフレーズで表現するといいですね。
普通の日常会話をしたいなら「ungrateful」や「receive nothing in return」などのフレーズを使って会話するといいです。
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